【レポート】顧客と従業員の体験を高めるクラウドコンタクトセンターの実践(AWS-26) #AWSSummit
今回は、2022年5月25 - 26日の2日間で開催されているAWS Summit Online 2022のセッションレポートをしていきます。セッションのサマリーを理解し、興味があるセッションをチェックすることに、ご活用ください。また、セッションのアーカイブも公開されますので、詳細はそちらをチェックしてください。
本記事は、「顧客と従業員の体験を高めるクラウドコンタクトセンターの実践(AWS-26)」のレポート記事となります。
セッション概要
タイトル: 顧客と従業員の体験を高めるクラウドコンタクトセンターの実践(AWS-26)
概要: コンタクトセンターに対する顧客の期待は高度化・複雑化していますが、これに応えることによって顧客体験は向上し、サービスの差別化とともにビジネスの優位性が生まれます。一方で顧客に対応する従業員の観点でも、作業効率と顧客体験の両立は課題となっています。このセッションでは顧客と従業員の視点からコンタクトセンターの課題について改めて考え、Amazon Connect の活用による新たな体験をユースケースとして解説するとともに、顧客の声を分析しビジネス改善に繋げる方法をデモを交えてご紹介します。
スピーカー: アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 Amazon Connect スペシャリスト ソリューションアーキテクト 清水 幸典
レポート
コンタクトセンターにおける顧客体験/従業員体験
顧客体験
- 顧客体験とは、顧客の問い合わせやどれだけ少ないストレスで回答をえることができたかどうかが近いもの。
- コンタクトセンターだけでなく実店舗やDMなど顧客との節点すべてを向上させていく必要がある
- 価格や品質についで顧客体験が購入の決定要因でもある。購入後の体験(故障時に関する問い合わせなど)が不満を感じると今後の購入をやめることもある
- 顧客がもっともほしいものは、課題の解決方法である
従業員体験
- 応対する従業員の体験も重要。様々なツールの使い分けや単純な問い合わせの繰り返し、フォローアップの作業負荷などで起こる従業員体験の低下
- 従業員体験の低下による人材の流出、確保が困難
- 顧客対応に手が回らなくなって顧客体験の低下、顧客が離れていくことにつながる
クラウドコンタクトセンターによるイノベーションの実現
- Amazon Connectは、顧客体験、従業員体験の課題、煩わしさの改善に最適なクラウドコンタクトセンターサービス
- コンタクトセンターのコアサービスを提供
- AI/MLの導入で顧客、従業員の体験向上
- コールフロー、ルーティング、従業員の管理、チャネル管理する機能
- 自然な自動化による顧客体験の実現
- リアルタイム、ヒストリカル分析
- 数十〜数万席の規模に対応
- 初期費用なし、従量課金で利用可能
- Amazon Connectは、導入してゴールではなく、機能の追加やアップデートによって継続的な改善ができる機動性の高いプラットフォームである
- Amazon Connectローンチから4年で170ものメジャーアップデート
- 顧客視点の具体的な改善やイノベーションの実現方法
- チャネルを増やすことが目的ではなく、どのように顧客の課題を最短で解決できるかどうかの設計が重要である
- Amazon Connect Chat
- チャットインターフェイスやSMSなど、Chat messaging streaming API経由による連携、拡張が可能
- Amazon Connect Amazon Connect with Amazon Lex
- AIによるセルフサービス体験の向上として、顧客の待ち時間の削減と自己解決の向上によって顧客体験を改善する
- Amazon Pollyによって自然な日本語で再生することで正しく誘導
- 最初から従業員と同等の対応を求めずに、定型的でシンプルな対応ボットで検討するのが望ましい
- Amazon Connect high volume outbound comminucations ※バージニア北部、オレゴン、ロンドンでプレビューリリース
- 顧客の状況に合わせたアウトバウンドコールを行う機能
- 従来の課題として新製品やキャンペーン、緊急通知や定期案内などチャネル毎に横断した管理ができていない、応答しにくい時間帯のアウトバウンド、手動による発信状況の管理。結果として効果が少ない且つ作業効率の悪い状況となっている
- Amazon Pinpointと連携し、オムニチャネルによるアプローチを実現。機械学習を用いてエージェントの通話時間や空き時間から発信ペースを調整が可能
- 従来のアウトバウンドコール運用によくある「顧客リストから発信」、「顧客の応答待ち」、「顧客の本人確認」、「顧客がキャンペーンに興味あるかどうか確認」、この単純作業を機械学習やボットを使って作業を改善し、効率的な顧客開拓ツールとして活用
- ここまでの顧客がコンタクトセンターに期待することまとめ
- 顧客の課題を解決する最短のチャネル
- 待ち時間の少ないセルフサービス
- 顧客を理解したストレスの少ないアプローチ
- Amazon Connectはこれらの技術的な解決策を持っている
- 従業員視点の具体的な改善やイノベーションの実現方法
- Amazon Connect Voice ID
- 従来の本人確認は、電話応対でヒアリング、従業員が復唱、照合している。個人情報を読み上げるセキュリティの問題やロイヤリティの欠如、本人確認の所要時間が課題
- 顧客と従業員との数秒の会話で声紋認証が可能
- 自動応答による従業員との会話前に本人確認が完了した状態で引き継げる。対応効率の向上
- Amazon Connect Amazon Connect Customer Profile
- 従来の顧客情報の操作は、通話中に操作や検索を行ったり、チャネル毎に異なるツールを操作している
- 統合した顧客情報と問い合わせの履歴や顧客情報の詳細を自動的に表示できる
- Contact Lens for Amazon Connect
- 従来のコンタクトセンターは、問題が起きている通話を把握することや過去の対応状況を容易に把握することは困難
- 過去の通話の解析やリアルタイム通話の解析、特定のワードによるアラートが可能
- Amazon Connect Wisdom
- 顧客との通話中にナレッジから最適な回答を探すのに時間を要している
- 対応中のワードから関連性の高いナレッジを検索、表示する(※英語のみ)
- 複数のナレッジから最適な回答を発見
- 顧客、従業員どちらにも効率化が見込める
- Amazon Connect Tasks
- 顧客との通話でフォローが必要な顧客に対して発生する作業を定量的に管理することが困難。フォローが必要な顧客向けの作業を追跡できなくなった場合に顧客対応ができずに顧客損失に繋がる
- タスクとして作成しておくことで対応可能なエージェントにルーティングすることでタスク漏れなく対応できる
- スケジューリング機能によって設定日時に顧客にコールするタスクを作成できる
- コンタクトセンターのKPIとして管理できる
- これらの機能を統合した従業員向けデスクトップが利用可能
- ここまでの従業員がコンタクトセンターに期待することまとめ
- 効率的な本人確認
- 統合された顧客情報
- 通話記録の簡単な検索手段
- 顧客の課題を解決策を見つける簡単な手段
- フォローアップの可視化
- これらもAmazon Connectはこれらの技術的な解決策を持っている
- Amazon Connect Voice ID
顧客体験/従業員体験向上のファーストステップ
- 上記のなかでも設定が容易でイノベーションがすぐに実現できるContact Lens for Amazon Connectの紹介
- スーパーバイザは、ニアリアルタイムで会話を分析、検知して従業員を支援する
- 通話終了後にスーパーバイザからフィードバックを受けられる
- 感情分析から顧客体験の向上、従業員体験の向上、スーパーバイザ体験の向上、ビジネスの改善につなげることができる
- 導入するには、
- コネクトインスタンスのContact Lensを有効化(デフォルト有効化)
- コンタクトフローの「記録と分析の動作を設定」ブロックで通話記録とContact Lensを有効化、対応言語を設定
- コンタクト追跡レコード画面で感情分析グラフ、通話記録の音声ファイルの可視化、文字起こしなどが閲覧できる
- 顧客の「ありがとう」や当初ネガティブだった顧客がポジティブになった通話記録の検索も可能。製品名の検索など可能
- ある特定の言葉や一定時間ネガティブな会話が続く顧客をルールで登録しておくことでダッシュボードで表示、モニタリングが可能。従業員を支援する仕組みにつながる
- 新機能としてカスタム語彙の登録が可能。業界特有の専門用語や製品名など、文字起こしの可読性を上げる事ができる
- Contact Lensの料金
- 最初の500万分:$0.015/分
- 500万分以上:$0.0125/分
- Amazon Connect、Amazon Lex、Amazon Connect Tasks、Contact Lens for Amazon ConnectのDemo披露
まとめと次のステップ
- Amazon Connectの製品に関する詳細はこちら
- Amazon Connectの新機能の情報やAWSサービスとのインテグレーションを紹介こちら
- Amazon Connectのワークショップも用意こちら
- ハンズオンもありこちら
まとめ
クラウドコンタクトセンターとして小さなスタートから始められること、AWSサービスとのインテグレーションできることはAWSご利用中の方には大きなメリットと考えます。また、Contact Lens for Amazon Connectはセッションで説明された通り、顧客体験/従業員体験の向上につながる機能だなと感じました。クラウドコンタクトセンターとして、ぜひAmazon Connectをご検討ください。